以下は、和菓子製造販売業のIT導入補助金の申請書類（事業計画書）の例です。
1. 事業者情報
- 事業者名：株式会社〇〇和菓子店
- 代表者名：山田 太郎
- 所在地：福岡県春日市〇〇町1-2-3
- 業種：和菓子製造販売業（日本産業分類コード：10712）
- 創業：2015年4月
- 従業員数：正社員4名、パート6名（計10名）
- 売上高：1億500万円（2023年度）
2. 自社の強みと経営課題
当社は福岡県産の厳選素材を使った低糖質和菓子の製造販売を主力とし、健康志向の高い40～60代女性を中心に高いリピート率（70％）を誇ります。店舗販売に加え、一部ECサイトでの販売も行っていますが、受注管理や顧客管理、在庫管理は手作業が中心で業務効率が低く、販売機会の損失やミスが発生しています。
また、販路拡大を目指す中で、SNS連携や効果的な顧客分析ができておらず、マーケティングの強化が急務です。
3. 導入するITツールと導入の目的
導入ツール
- クラウド型受注・顧客管理システム（CRM機能付き）
- 在庫管理システム
- SNS連携マーケティングツール
導入の目的
- 受注・顧客情報を一元管理し、注文ミスや対応漏れを削減する。
- 在庫状況をリアルタイムで把握し、欠品や過剰在庫を防止する。
- SNS連携ツールで効果的な情報発信を行い、新規顧客獲得とリピーター増加を目指す。
4. 導入による効果と数値目標
| 効果項目 | 現状 | 目標（導入1年後） | 根拠・補足 |
|---|---|---|---|
| 受注処理時間 | 1件あたり約10分 | 1件あたり約6分（40％削減） | 手作業からシステム化による効率化 |
| 受注ミス件数 | 月5件程度 | 月1件以下 | 自動チェック機能導入によるミス減少 |
| 在庫回転率 | 年4回 | 年6回 | リアルタイム管理で適正在庫維持 |
| 新規顧客数 | 年間300人 | 年間450人（50％増） | SNSマーケティング強化による集客増 |
| 売上高 | 1億500万円 | 1億6000万円（約5％増） | 業務効率化と販路拡大による増収 |
5. 事業計画の概要（255文字以内）
当社は福岡県産の低糖質和菓子を製造販売し、高いリピート率を誇りますが、受注・顧客・在庫管理が手作業中心で業務効率が低く、販売機会損失が課題です。今回、クラウド型の受注・顧客管理システム、在庫管理システム、SNS連携マーケティングツールを導入し、業務効率化と販路拡大を図ります。これにより受注処理時間を40％削減し、新規顧客数を50％増加させ、売上5％増を目指します。
6. 事業実施スケジュール
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 2025年5月 | IT導入支援事業者と契約、詳細設計開始 |
| 2025年6月 | システム導入・初期設定、従業員研修実施 |
| 2025年7月 | 運用開始、SNS連携マーケティング開始 |
| 2025年8月～12月 | 運用改善・効果測定、追加設定・調整 |
7. 補助金申請額と経費内訳
| 項目 | 金額（万円） |
|---|---|
| 受注・顧客管理システム導入費 | 100 |
| 在庫管理システム導入費 | 80 |
| SNS連携マーケティングツール導入費 | 40 |
| 導入支援費（研修・設定等） | 30 |
| 合計 | 250 |
※補助率は2/3を想定し、補助金申請額は約167万円
8. 財務計画（3年間）
| 年度 | 売上高（万円） | 経費（万円） | 営業利益（万円） | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年度（現状） | 10,500 | 9,800 | 700 | 導入前 |
| 2025年度 | 11,000 | 10,200 | 800 | 導入初年度 |
| 2026年度 | 11,500 | 10,400 | 1,100 | 効率化効果浸透 |
| 2027年度 | 12,000 | 10,600 | 1,400 | 安定成長 |
9. 添付書類
- 履歴事項全部証明書
- 法人税の納税証明書
- 直近3期の決算書類
- IT導入支援事業者との契約書（予定含む）
- 導入予定ITツールの見積書
10. まとめ
本事業計画は、現状の受注・顧客・在庫管理の課題をITツール導入により解決し、業務効率化と販路拡大を実現します。具体的な数値目標を掲げ、実現可能なスケジュールと財務計画を示しています。これにより、売上増加と経営基盤の強化を図り、地域経済にも貢献します。