成功している店舗や企業の共通点はお客様と接する従業員の満足度を高める施策を取り入れていることです。人事に係る各種制度を整備していく必要があります。ただし、導入の際は、後々の維持改善等を考慮し複雑なものにしないことが重要です。
「目標設定によるOJT」⇒「公正な評価、処遇」⇒「適切なタイミングでの研修」⇒「役割変更(昇格ローテーション)」⇒「新たな目標設定によるOJT」のスパイラルサイクルを廻していくことが重要です。
社員のやる気を引き出し、業績を伸ばす「成長循環型マネジメント」
■ 経営者が描く「成長の螺旋階段」
経営とは登山のようなもの。山頂を目指すには、従業員一人ひとりが持てる力を発揮し、高めていくことが必要です。そのために、次のような「成長の螺旋(らせん)サイクル」を意識することが大事です。
【1】まず「登る山=目標」を示す(目標設定)
社員に「何を期待しているのか?」を明確に伝えることで、方向性とやる気が生まれます。
例)営業なら「月に5件の新規開拓」、事務なら「顧客データの入力ミスゼロ」など。
🔸【例え話】
社員に地図もコンパスも渡さずに「頑張れ!」と言うのは、真っ暗な登山道を登れと言うのと同じです。
【2】「どれだけ登れたか?」を確認(目標達成度の評価)
努力の結果をしっかりと評価します。ただし、単に数字だけでなく「工夫」「姿勢」なども見てあげましょう。
🔸【コツ】
月1回の面談で「できたこと/できなかったこと/次に向けた改善」を話すだけでも効果大!
【3】評価結果を「処遇」で報いる(モチベーションアップ)
達成した人には、昇給・昇格・表彰などでしっかり報いることで「次も頑張ろう」という気持ちが生まれます。
🔸【ユーモア】
「よくやったな!」という一言と「1000円のランチ券」は、想像以上に社員の心を動かします!
【4】足りないところは「トレーニング」で補う(研修・学び)
評価の中で見えてきた「弱点」は、その人を責める材料ではなく、“成長のヒント”です。
例えば「部下指導が苦手」ならリーダー研修を、「数字に弱い」ならExcel講座を。
🔸【コツ】
やる気がある時にすぐ受けられる「小さな学びの場」を用意する。
【5】スキルアップ後は「新しい役割」を与える(登る山を変える)
目標達成のための経験およびその後の学びを経てレベルアップしたら、役職を与えたり、任せる範囲を広げたりして「自分は期待されている」と感じてもらいましょう。
🔸【例】
パートスタッフからサブリーダーへ。数字入力から売上分析担当へ。
【6】その役割に応じた「新たな目標」を設定し、PDCAを回す
新しい役割には新しい目標を。「任せっぱなし」にならず、定期的に振り返りを行うことで、再び成長のサイクルが回り始めます。
🔸【重要】
目標→実行→評価→改善(PDCA)を回すたびに、社員は「螺旋階段」のように上に登っていきます。
💡まとめ:やる気と成長を引き出すマネジメントサイクル
ステップ | 目的 | 経営者の実践ポイント |
---|---|---|
① 目標を設定する | 方向性とやる気の明確化 | 明確かつ具体的に伝える |
② 達成度を評価する | 成果を可視化・課題を発見 | 数字だけでなく努力や工夫も見る |
③ 処遇へつなげる | モチベーションアップ | 昇給・表彰・一言でもOK |
④ 足りない点を研修で補う | 成長の機会を提供 | 実務に直結した内容で即効性を意識 |
⑤ 新たな役割を与える | 成長実感と責任感の向上 | 「期待しているよ」メッセージが鍵 |
⑥ 役割に応じた目標を再設定 | 成長サイクルの再始動 | PDCAを止めない工夫が組織を強くする |
この「成長サイクル」は、社員を「コスト」ではなく「資産」として活かす考え方です。
小さな会社ほど、「人の力」を最大化する工夫こそが、未来を切り拓く鍵になります。