働く方の更なるチャレンジや意欲を向上するため、部署の異動、業務のローテーション、役割のレベルアップを行うことが重要です。

異動、ローテーション後は、新たな目標を設定することになります。
【社員を育てる「社内ローテーション・異動・昇格」の活用例】
社内でのローテーションや異動、昇格は「人を育てる最高の現場トレーニング」です。たとえるなら、「野球の選手をいろんなポジションで鍛えるようなもの」。最初は慣れないポジションでも、経験を重ねることで視野が広がり、チーム全体の戦力が底上げされます。
以下に、職種ごとの代表的なケースです。
1. 製造業(現場職)
- タイプ:ローテーション(製造→品質管理→工程管理)
- 対象者:若手~中堅社員
- 異動例:製造ラインから品質管理部門へ異動
- 目的・特徴:
→「作る」だけでなく「チェックする」立場を経験することで、製造工程全体への理解が深まる。改善提案もできるようになる。
2. 小売業(販売職)
- タイプ:昇格+配置転換(店舗スタッフ→副店長→本部)
- 対象者:リーダー候補
- 異動例:副店長昇格後、繁忙店へ異動し、売上責任を持たせる
- 目的・特徴:
→責任の重さと売上プレッシャーが「経営感覚」を育てる。数字に強くなる。
3. IT業(技術職)
- タイプ:職種横断の異動(開発→営業支援)
- 対象者:中堅SE
- 異動例:技術からプリセールス(提案同行)部門へ一時的に配置
- 目的・特徴:
→顧客のニーズを“肌で感じる”ことで、より現場にフィットした提案ができる技術者に成長。
4. 飲食業(ホール・キッチン)
- タイプ:ローテーション(ホール⇔キッチン)
- 対象者:アルバイト~社員候補
- 異動例:ホール担当がキッチンを3ヶ月経験
- 目的・特徴:
→「自分の仕事が、誰にどうつながるか」が見えるようになり、チームワークが自然に向上。
5. 建設業(現場監督)
- タイプ:プロジェクト単位の異動(木造→鉄骨→リノベーション)
- 対象者:若手~ベテラン
- 異動例:異なる工法・業種の現場を順次経験
- 目的・特徴:
→「この人に任せれば何でもできる」という安心感を育て、将来の幹部候補に育成。
【ポイントまとめ】
業界 | タイプ | 対象者 | 異動例 | 成長の目的・特徴 |
---|---|---|---|---|
製造 | ローテーション | 若手~中堅 | 製造→品質管理 | 全体工程の理解と改善力育成 |
小売 | 昇格・配置換え | リーダー候補 | 副店長→本部 | 経営感覚・数値力の養成 |
IT | 横断異動 | 中堅技術者 | 開発→営業支援 | 顧客視点の強化と提案力向上 |
飲食 | 業務交替 | アルバイト〜社員 | ホール⇔キッチン | チームワーク・全体最適思考 |
建設 | 工種異動 | 若手~ベテラン | 木造→鉄骨等 | 幅広い現場対応力の習得 |
このような「社内異動の仕掛け」は、社員を“社内で育てる研修”と考えれば、コストゼロで実践できる教育投資です。