| 項目 | 内容と重要ポイント |
| 背景と危機意識 | 生産年齢人口の激減(2043年までに約1,500万人減)という物理的制約。従来の採用強化(レッドオーシャン)から、デジタル・機械・ロボット活用(生産性向上)への構造転換が不可欠。 |
| 新組織の創設 | 令和8年4月1日より、全国のよろず支援拠点内に生産性向上支援センターを新設。従来の相談窓口から、より現場介入度を高めた戦略的進化を遂げる。 |
| よろず支援拠点の5機能 | (1)ワンストップ (2)コーディネート (3)高度経営アドバイス (4)支援人材の能力強化 (5)経済的インパクトの追求(※4,5は新機能)により、地域全体の支援レベルを底上げ。 |
| 生産性向上の定義 | 労働生産性 = 付加価値額 ÷ 労働投入量。省力化で生まれた余力を、販路開拓などの付加価値拡大へ転換する二段階ロケットのプロセスを推進。 |
| 具体的な支援フロー | 現場訪問型(原則10回程度)の伴走支援。計画策定から、現場のムリ・ムダ・ムラの可視化、具体的な宿題の提示、ツールの導入支援まで一貫して実施。 |
| 戦略的メリット | センターの支援を受け「計画書」を策定した事業者は、令和8年夏頃より省力化投資補助金(一般型)等の採択で加点措置が講じられる予定。 |
| 課題別の支援手法 | 5S(整理・整頓等)による風土構築、工程短縮によるプロセス改革、DXによる間接業務改革、AI・ロボット活用による先進的自動化の4段階で対応。 |
| 支援者の指針 | 支援者は能動的な伴走者として、自己研鑽、プッシュ型の案件発掘、現場での本質的課題の掌握、粘り強い実行支援、地域連携を徹底する。 |
| 最終ゴール | 単なる課題解決に留まらず、事業者が自らPDCAを回し続ける自走化を実現し、人口減少下でも持続可能な経営体制を構築すること。 |
| 項目 | 内容のポイント |
| 業務の目的 | 中小企業の生産性向上(労働投入量の効率化)を支援し、地域経済を活性化すること。 |
| 主な業務内容 | 現場訪問型の伴走支援(10回程度)、取組計画の策定、支援案件の掘り起こし、広報、実績報告。 |
| 委嘱期間 | 原則として単年度(令和6年1月〜令和9年3月31日)。 |
| 活動条件 | 予算の範囲内で都度依頼。1日(7時間45分)または半日(4時間以上)単位。 |
| 活動場所 | 原則は自宅(在宅)。ただし、要請があれば事業者の指定場所等へ出張する。 |
| 謝金・諸経費 | 日額 33,000円(半日は半額)。旅費・交通費は県規程に基づき支給。 |
| 報酬の支払 | 実績に基づき、活動翌月の21日に支給。 |
| 遵守事項 | 対話と傾聴、自己研鑽。守秘義務、利益誘導の禁止、民業圧迫の禁止の徹底。 |
| 禁止事項 | 履歴詐称、秘密漏洩、SNS等での無断発信、不当な利益享受、業務の第三者譲渡。 |
| 個人情報保護 | 安全管理措置の徹底。承諾のない持出し・複製・再委託の禁止。完了後は資料を返還。 |
| 委嘱の解除 | 要領違反、信用失墜行為、業務遂行不能、本人からの申し出等がある場合に解除。 |
| 損害賠償 | 故意または重大な過失により損害を与えた場合、サポーターが賠償責任を負う。 |
1. 社会的背景と支援体制拡充の戦略的意義
日本経済の基盤を支える中小企業・小規模事業者は、現在、存亡を懸けた構造的転換点に立たされている。最大の脅威は、2020年から2043年にかけて生産年齢人口(15〜64歳)が約1,500万人(7,509万人から5,969万人へ)も激減するという、逃れようのないマクロ経済の物理的制約である。
現在、多くの中小企業が深刻な人手不足を経営課題の筆頭に挙げているが、その対策の78.4%が依然として「採用活動の強化」に偏っている。しかし、労働供給そのものが枯渇する中で採用のみに頼る戦略は、コストの増大と人材の奪い合いを招く「レッドオーシャン」の戦いであり、持続可能性は極めて低い。対照的に、本来取り組むべき「デジタル・機械・ロボットの活用」に着手できている企業は28.6%に留まっている。
もはや、人海戦術による現状維持は不可能である。今、公的支援に求められているのは、単なる相談対応ではない。飲食、製造、建設、物流など、人手不足が特に深刻な「12業種」を中心に、省力化投資を断行し、少ない労働投入量で最大の付加価値を生み出す構造への変革を促すことである。この「労働供給の物理的限界」に対する唯一の解こそが、生産性向上の徹底に他ならない。
2. よろず支援拠点の機能進化と新センターの創設
政府はこうした危機に対し、令和8年4月1日より、全国の「よろず支援拠点」内に「生産性向上支援センター(以下、センター)」を新設し、支援体制を抜本的に強化する。これは、平成26年に設置された「ワンストップ相談窓口」の機能を継承しつつ、より現場介入度を高めた戦略的進化である。
よろず支援拠点が担う5つの役割と進化
よろず支援拠点は、令和6年度の検討会を経て、従来の3つの役割に、能力強化と経済的成果を追求する2つの役割を加えた5機能体制へと移行している。
| 役割名 | 具体的機能 | 事業者へのインパクト |
| (1) ワンストップ機能 | 課題整理と最適な支援機関・制度の紹介 | 相談先の迷走を防ぎ、迅速に解決の糸口を掴める |
| (2) コーディネート機能 | 地域支援機関(商工会・金融・士業等)のハブ | 組織の枠を超えた複合的な課題解決が可能になる |
| (3) 高度な経営アドバイス | 専門家による企業経営の深部への踏み込み | 市場動向に即した「稼ぐ力」の強化に繋がる |
| (4) 支援人材の能力強化(※) | 拠点内ノウハウの地域全体への共有 | 地域全体の伴走支援レベルが底上げされる |
| (5) 経済的インパクト追求(※) | 成長意欲の高い企業への積極的支援 | 地域の活性化と経済の好循環が実現する |
| (※)令和6年度より追加された新役割 |
「ワンチーム」体制による支援の深掘り
新センターの優位性は、既存の窓口との「密な連携」にある。まず窓口(フェーズ1)が経営全般のヒアリングを通じて信頼関係を構築し、本質的な課題を特定する。その上で、生産性向上の専門チーム(フェーズ2)が現場訪問型で介入する。中小企業が抱える「日々の危機対応で余裕がない」という心理的障壁に対し、この二段構えの体制が「心理的安全性の確保」と「抜本的改善の断行」を両立させるのである。
3. 労働生産性向上のフレームワークと支援フロー
本事業が定義する生産性向上は、**「労働生産性 = 付加価値額 ÷ 労働投入量」**の改善である。これは、まず「省力化・デジタル化」によって労働投入量を最適化し、そこで生まれた余力を「付加価値の拡大(販路開拓や新商品開発)」へと転換させる「二段階ロケット」のプロセスである。
標準的な伴走支援フロー
センターによる支援は、概ね「10回程度(3〜20回の範囲で柔軟に対応)」の現場訪問を基本とする。
- 相談・ヒアリングと「生産性向上取組計画書」の策定 初回から現場を確認し、「労働時間削減量」などの定量的な目標を含む計画書を策定する。
- 現場訪問による「宿題」の提示と改善の実行 サポーターが現場の「ムリ・ムダ・ムラ」を可視化し、具体的な改善策を指示する。事業者が次回の訪問までに実行すべき「宿題」を課すことで、現場の変革を促す。
- 成果の見える化と継続的な自走支援 改善結果を確認し、効果的なITツールや省力化機器の導入を支援する。最終的には次年度の決算書類等で成果を確認し、支援を完了する。
戦略的価値:補助金加点措置の活用
本計画書の策定は、実務上の改善に留まらず、資金調達の強力な武器となる。令和8年夏頃より、国の「省力化投資補助金(一般型)」等の採択審査において、センターの支援を受けている事業者には加点措置が講じられる予定である。これは、公的支援と投資支援をパッケージ化し、中小企業の設備投資リスクを軽減させる高度な政策誘導である。
4. 現場視点での課題解決:先行事例と支援メニューの類型化
支援は一律ではなく、事業者の「課題のありか」に応じた4段階(5カテゴリー)で提供される。福岡県中小企業DX推進センター等の先行事例をモデルとし、現場のリアリティに即した手法を適用する。
課題レベルに応じた支援内容の比較
| 課題のありか | 主な目的 | 具体的な手法 | 期待される効果 |
| 風土・基盤 | 作業環境の整備 | 5S(整理・整頓等)の徹底 | 無駄な動きの排除、意識改革 |
| ムリ・ムダ・ムラ | プロセス改革 | 工程短縮、物流・動線改善 | リードタイム短縮、コスト削減 |
| 付加価値あり | 間接業務改革 | 事務・技術のデジタル化(DX) | 事務工数削減、情報共有の迅速化 |
| 先進・高度 | 自動化・IoT | AI・ロボット・センサー活用 | 省人化の極大化、品質の安定 |
労働時間削減のシミュレーション例
「省力化ナビ」等のツールを活用し、12業種等の具体的な現場で以下の削減を目指す。
- 梱包作業(製造業等): 3人×0.5時間/日の作業を、改善により0.25時間/日に短縮。年間120日稼働の場合、年間105時間の削減(180h→75h)を実現する。
- 調理作業(飲食業等): 省力化機器の導入により、3人体制を2人に削減。年間120日稼働の場合、年間60時間の削減(180h→120h)を見込む。
5. 公的支援機関としての基本姿勢と支援者の行動指針
センターが高い実効性を維持するためには、支援者が「受動的なアドバイザー」から「能動的な伴走者」へと脱皮しなければならない。以下の5つの行動指針を厳守し、事業者の信頼を獲得することが絶対条件となる。
支援者が貫くべき5つのマインドセット
- 「自己研鑽」を断行せよ デジタル技術やAI、最新の省力化手法を絶えず吸収し、自らの知見を常にアップデートし続けよ。
- 「案件発掘」をプッシュ型で展開せよ 相談を待つのではなく、支援が必要な事業者を能動的に掘り起こせ。既存顧客のみならず、新規層へのアプローチを厭うな。
- 「本質的課題」を現場で掌握せよ 表面的な要望に惑わされるな。現場視察と対話を通じて、真のボトルネックがどこにあるのかを冷徹に見極めよ。
- 「提案・実行支援」を粘り強く完遂せよ 単なる提案で終わらせるな。事業者が納得し、自ら実行できるまで、社内体制構築を含めた実効的なサポートを継続せよ。
- 「チーム構築」を地域一体で推進せよ 自拠点のみで抱え込まず、外部の支援機関と緊密に連携せよ。地域全体の支援リソースを最適化し、ワンチームで事業者を支えよ。
結論:支援のゴールは「自走化」にある
公的支援の真の成功指標は、支援完了数ではない。支援を通じて事業者が生産性向上の要領を体得し、外部の助けを借りずともPDCAを回し続ける「自走化」を実現することにある。令和8年度からの新体制は、中小企業が人口減少という荒波を乗り越え、次世代へと持続可能な経営を繋ぐための最強の羅針盤となるはずだ。
# 福岡県よろず支援拠点生産性向上支援センター生産性向上支援サポーター 委嘱要領
## (業務の目的)
**第1条** 深刻な人手不足や労働供給制約に直面する中小企業・小規模事業者(以下「事業者」という。)に対し、省力化投資やデジタル化等を通じて生産性向上(特に労働投入量の効率化)を支援し、地域経済の活性化を図ることを目的とする。
2 「生産性向上支援センター」は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上(特に労働投入量の効率化)に向けて、複数回・現場訪問型の徹底した伴走支援を提供する組織であり、よろず支援拠点(ワンストップ相談窓口)とも密に連携し、両組織で中小企業・小規模事業者等に必要な支援を提供する。
## (業務内容)
**第2条** 生産性向上支援サポーター(以下、「サポーター」という。)は、生産性向上支援統括サポーター(以下、「統括サポーター」という。)の指示のもと、よろず支援拠点(ワンストップ相談窓口)、公益財団法人福岡県中小企業振興センター(以下、「実施機関」という。)、よろず支援拠点全国本部及び県内他支援機関等と連携・協力しながら、次に掲げる業務を実施するものとする。
(1) 現場訪問型の伴走支援
事業者の現場に複数回(合計10回程度を想定)訪問し、業務の見える化、ムリムラ無駄の削減、作業の標準化、導線の効率化、デジタル活用、省力化投資の検討等、状況に応じた助言を行う。
(2) 計画策定及び実行サポート
事業者による「生産性向上取組計画書」の策定を支援し、計画に基づいた実行支援及び成果の定着に向けたフォローアップを行う。
(3) 支援案件の掘り起こし
電話、メール、セミナー等を通じて、潜在的な支援ニーズを有する事業者のプッシュ型掘り起こし(新規開拓を含む)を行う。
(4) 広報活動への協力
セミナーへの登壇、SNSやプレスリリース等を活用した情報発信、支援事例の紹介等に協力する。
(5) 実績管理と報告
支援結果を速やかに支援実績管理システム(カルテシステム)に入力し、統括サポーター等へ報告を行う。
(6) 支援後のフォローアップの実施
(7) 成果事例の作成への協力
(8) その他委嘱業務を実施するために必要な業務
## (サポーターの委嘱期間)
**第3条** 委嘱期間は就任依頼「福岡県よろず支援拠点生産性向上支援サポーターの就任依頼について」に記載のとおりとする。ただし、第10条の規定により委嘱を解くときは、委嘱を解いた日までとする。
[手書き注記:R6.1 〜 9.3.31 単年度]
2 実施機関が事業年度の途中で本事業を廃止するときは、廃止の日までとする。
## (サポーターの活動日数、活動単位、活動時間及び活動場所)
**第4条** 本事業に係るサポーターの活動日数は予算の範囲内かつ業務が発生した場合に都度依頼するものとする。ただし、依頼については、統括サポーターと実施機関で協議し決定する。
2 サポーターの活動単位は1日(原則9時00分から17時45分まで(うち休憩時間1時間))又は半日(4時間以上7時間45分未満)とする。
[手書き注記:1/2 終わるセンター]
3 第2項に定めた活動時間以外の時間に活動するときは、事前に統括サポーターの承認を得ることとする。
4 サポーターの活動場所は、原則として実施機関又は事業者の指定する場所とする。ただし、在宅活動は統括サポーターの承認を得ることとする。
[手書き注記:基本は自宅 ただし要請あれば出張]
## (サポーターの謝金)
**第5条** サポーターの謝金は日額33,000円(消費税率10%、うち消費税3,000円)とし、業務への従事が半日の場合は、日額の半額とする。
## (サポーターの旅費・交通費)
**第6条** サポーターの旅費・交通費は、「公益財団法人福岡県中小企業振興センター旅費規程」に基づき支給する。
[手書き注記:県と同じ]
## (報酬等の支払い)
**第7条** 実施機関は、サポーターから提出された実績報告書等に基づいて、毎月21日(休日の場合は前日)に報酬等を支給する。
[手書き注記:翌月]
## (遵守事項及び行動指針)
**第8条** サポーターは「生産性向上支援センター 支援者の行動指針」に従い、以下の事項を遵守しなければならない。
(1) 対話と傾聴
事業者に徹底的に寄り添い、信頼関係を構築した上で本質的な課題を特定する。
(2) 自己研鑽
デジタル技術や生成AI等の最新技術、伴走支援の手法について常にスキルアップに励む。
(3) 公的支援機関としての姿勢
① 守秘義務の徹底(事業者の了解なしに第三者へ情報共有しない)。
② 自らの本業への利益誘導禁止(特定のツールのみを勧めない、メーカー等から便宜を受けない等)。
③ 民業圧迫の禁止(補助金申請書類の作成・添削を無料で行う等の行為をしない)。
**第9条** サポーターは、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 履歴を詐称すること。
(2) 実施機関の禁止又は注意の指示に従わないこと。
(3) 実施機関の名誉を毀損し、信用を傷つけ又は利益を害すること。
(4) 実施機関が委嘱した業務に関連して知り得た実施機関又はその他の者の秘密を、委嘱期間中又は委嘱終了後にかかわらず他に漏らし、又は盗用すること。
(5) 実施機関の秩序又は職場規律を乱す行為をすること。
(6) サポーターの身分において、実施機関以外の者から不当に利益を享受又は金銭を収受すること。
(7) 実施機関の名称、略称若しくは呼称(以下、「名称等」という。)、実施機関の事業の名称等又はサポーターの名称等をみだりに使用すること。
(8) 虚偽の報告をすること。
(9) サポーターは本要領に基づき委嘱された業務内容を第三者に譲渡又は委託すること。
(10) その他実施機関の業務執行に支障があると判断される行為を行うこと。
(11) 業務に関連する情報をSNS等で発信すること(実施機関の承認がある場合を除く)。
## (委嘱の解除)
**第10条** 実施機関は、サポーターが次に該当する場合は、委嘱を解除することができる。
(1) 本要領の規定に違反したとき。
(2) 本事業の目的又は内容から逸脱した行為を行ったと認められるとき。
(3) 正当な理由なく実施機関が委嘱した業務を実施しないとき。
(4) 実施機関が委嘱した業務を遂行できないと認められるとき。
(5) 法令等に違反する行為を行ったと認められるとき。
(6) 社会的信用を失墜する行為をおこなったとき。
(7) 本人が委嘱の解除を申し出たとき。
(8) 委嘱期間を満了したとき。
(9) 本人が死亡したとき又は連絡が取れなくなったとき。
(10) その他、実施機関の業務上やむを得ない事情が生じたとき。
2 実施機関は、前項第1号から第6号まで又は第10号の理由により委嘱を解除する場合は、その旨を書面によりサポーターに通知する。
3 実施機関は、前項の規定による委嘱の解除によって生じたサポーターの損害については、その賠償の責めを負わないものとする。
## (損害賠償)
**第11条** サポーターは、故意または重大な過失により本要領に定める内容を履行しないために実施機関に損害を与えたときは、その損害を実施機関に賠償する。
## (個人情報の保護、倫理等)
**第12条** サポーターは、本事業に係り知り得た情報等の取り扱い等に関しては、実施機関が別途定める個人情報保護規程、情報セキュリティ規程、別記「情報セキュリティに関する事項」を遵守すること。
## (その他)
**第13条** この要領に定めるもののほか、事業の実施に必要な事項は、実施機関が別に定める。
—
## 別記
### 保有個人情報取扱特記事項
**(基本的事項)**
**第1条** 受託者は、委託者が保有する個人情報(以下「保有個人情報」という。)の保護の重要性を認識し、この契約による事務の実施に当たっては、個人の権利利益を侵害することのないよう、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第66条第2項において準用される同条第1項の規定及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第12条の規定に基づき、保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
**(管理及び実施体制)**
**第2条** 受託者は、保有個人情報の適切な管理を確保する任に当たる者又は組織(以下「保護管理責任者等」という。)並びに権限を明らかにし、安全管理上の問題への対応や監督、点検の実施等の措置が常時講じられる体制を敷かなければならない。
2 受託者は、この契約により、保有個人情報を取り扱う事務に従事する者の範囲、権限の内容等を明確化及び必要最小限化し、特定された従事者以外の者が当該保有個人情報にアクセスすることがないよう、また、権限を有する者であっても、業務上の目的以外の目的でアクセスすることがないようにしなければならない。
**(作業場所等の特定)**
**第3条** 受託者は、この契約による事務を処理するため個人情報を取り扱うときは、その作業を行う場所及び当該個人情報を保管する場所(保有個人情報を取り扱う基幹的なサーバ等の機器を設置する室又は区域を含む。)を明確にし、あらかじめ委託者の承諾を得るものとする。
**(秘密の保持)**
**第4条** 受託者は、この契約による事務に関して知り得た個人情報をみだりに他に漏らしてはならない。この契約が終了し、又は解除された後においても、同様とする。
**(収集の制限)**
**第5条** 受託者は、この契約による事務を行うために個人情報を収集するときは、当該事務を達成するために必要な範囲内で、適法かつ公正な手段により収集しなければならない。
**(持出しの禁止)**
**第6条** 受託者は、この契約による事務を処理するために必要がある場合を除き、委託者から提供された保有個人情報又は保有個人情報が記録された資料等(端末及びサーバに内蔵されているものを含む。以下「記録媒体」という。)を作業場所又は保管場所の外へ持ち出してはならない。
**(複写又は複製等の禁止)**
**第7条** 受託者は、この契約による事務を処理するため、委託者の承諾なしに保有個人情報又は記録媒体(以下「保有個人情報等」という。)を複写し、又は複製してはならない。
2 前項の規定は、保有個人情報等の送信又は外部への送付、その他保有個人情報の適切な管理に支障を及ぼすおそれのある行為について準用する。
3 受託者は委託者から前2項の承諾を受けた場合、保有個人情報等の誤送信、誤送付、誤交付、誤廃棄、又はウェブサイトへの誤掲載等を防止するため、複数の従事者による確認や専用ソフトウェアの導入等の必要な措置を講じるものとする。
**(利用及び提供の制限)**
**第8条** 受託者は、委託者の指示又は承諾があるときを除き、この契約による事務に関して知り得た保有個人情報を当該事務の目的以外の目的に利用し、又は提供してはならない。
**(廃棄等)**
**第9条** 受託者は、委託者から提供された保有個人情報等が不要となった場合には、保護管理責任者等の指示に従い、当該保有個人情報等の復元又は判読が不可能な方法により、当該情報の消去又は記録媒体の廃棄等を行わなければならない。
**(情報システムにおける安全管理措置)**
**第10条** 受託者は、上記のほか、委託者から提供された保有個人情報等を情報システムで取り扱う場合、その秘匿性等その内容に応じて、次の措置を講じなければならない。
一 アクセス制御のための認証機能設定、データ持出し時を含むパスワード等の定期又は随時見直し、読取り防止措置
二 作業場所等の入退管理やアクセス記録の保存、定期的分析を含むアクセス状況の監視、作業を行う端末の限定(台数管理、盗難防止措置を含む。)、バックアップ記録の作成 ほか
三 不正アクセス防止プログラム等の導入(最新化)をはじめとするサイバーセキュリティ水準の確保
四 その他外部者、第三者による閲覧(窃取)防止のために必要な措置
**(従事者への研修)**
**第11条** 受託者は、この契約による事務に従事している者に対して、おそれを含む事故発生時の対応のほか、在職中及び退職後において、この契約による事務に関して知り得た保有個人情報等の内容をみだりに人に知らせてはならないこと、その他情報システムの管理、運用及びセキュリティ対策等の個人情報の保護に関し必要な事項を研修するものとする。
**(再委託の禁止)**
**第12条** 受託者は、この契約による保有個人情報を取り扱う事務を自ら行うものとし、委託者の承諾があるときを除き、第三者にその取扱いを委託してはならない。
**(資料等の返還等)**
**第13条** 受託者は、この契約による事務を処理するために委託者から提供を受け、又は自らが収集し、若しくは作成した保有個人情報等は、事務完了後直ちに委託者に返還し、又は引き渡すものとする。ただし、委託者が別に指示したときは、その指示に従うものとする。
**(事故報告)**
**第14条** 受託者は、保有個人情報の漏えい等安全管理上の問題となる事案が発生し、又は発生するおそれがあることを認識したときは、保護管理責任者等の指揮のもと、直ちに被害の発生又は拡大防止に必要な措置を講ずるとともに、併せて委託者に報告し、委託者の指示に従い、その他の必要な措置を講ずるものとする。
2 受託者は、おそれを含め、前項の事案が発生した場合、その経緯、被害状況等を調査し、委託者に書面で報告するものとする。ただし、書面報告を行う暇がない場合等はこの限りではない。
3 受託者は、第1項の事案が発生した場合であって、委託者から保有個人情報の漏えい等に係る個人情報保護委員会への報告を求められたときは、委託者の指示に従うこと。
**(調査)**
**第15条** 委託者は、受託者に対し、保有個人情報等の安全管理状況について、随時実地の調査等を行うものとする。
**(指示及び報告)**
**第16条** 委託者は、必要に応じ、受託者に対し、保有個人情報等の安全管理措置に関する指示を行い、又は報告若しくは資料の提出を求めるものとする。
**(取扱記録の作成)**
**第17条** 受託者は、委託者から提供された保有個人情報等の秘匿性等その内容に応じて、当該保有個人情報等の取扱状況を記録し、委託者に報告するものとする。
**(運搬)**
**第18条** 受託者は、この契約による事務を処理するため、又は当該事務完了後において個人情報が記録された資料等を運搬するときは、保有個人情報等の漏えい、紛失又は滅失等を防止するため、受託者の責任において、確実な方法により運搬しなければならない。
**(契約解除及び損害賠償)**
**第19条** 委託者は、受託者が保有個人情報取扱特記事項の内容に反していると認めたときは、契約の解除及び損害賠償の請求をすることができるものとする。
