創業者向け融資の3つの主要制度について、具体的な事例を交えながら分かりやすくご説明いたします。
3つの制度の基本的な違い
創業融資は国の機関（日本政策金融公庫）、県の制度（福岡県）、市の制度（福岡市）がそれぞれ異なる特色を持っています。
主要制度比較表（公式サイトで最新状況を確認ください）
| 制度名 | 融資限度額 | 金利 | 返済期間 | 保証料 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金 | 7,200万円 | （例） 無担保、税務申告2期完了の場合→基準利率2.90％～4.30％（特別金利あり） | 設備：20年 運転：10年 | なし | 担保・保証人：要相談 審査が柔軟 |
| 福岡県新規創業資金 | 3,500万円 | 1.20%～1.30% | 設備：10年 運転：7年 | 原則0% | 県が保証料負担 商工会議所紹介 |
| 福岡市スタートアップ資金 | 3,500万円 （創業前2,000万円） | 1.30% （女性・50歳以上1.20%） | 10年 | 0%(経営者保障不要の場合0.2%） | 市が保証料全額負担 最も優遇 |
1. 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
制度の特徴
国の機関だからこその安心感と柔軟性が魅力です。jfc+1
融資条件詳細
- 対象者：新たに事業を始める方、事業開始後おおむね7年以内の方
- 融資限度額：7,200万円（うち運転資金4,800万円）
- 返済期間：
- 設備資金：20年以内（据置期間5年以内）
- 運転資金：10年以内（据置期間5年以内）
- 担保・保証人：要相談
- 金利：（例）無担保、税務申告2期完了の場合→基準利率2.90％～4.30％（特別金利あり）
特別利率の適用条件
以下に該当すると優遇金利が適用されます：
- 女性の方、35歳未満または55歳以上の方
- 創業塾や創業セミナー受講者
- 技術・ノウハウ等に新規性がある方
- ベンチャーキャピタルから出資を受けている方jfc
具体例：IT系スタートアップの場合
福岡市在住の田中さん（32歳・男性）がアプリ開発会社を設立
- 申込み額：1,500万円（設備500万円、運転資金1,000万円）
- 適用金利：基準利率（年齢が35歳未満のため特別利率適用なし）
- 返済期間：設備15年、運転資金7年で設定
- 担保・保証人：不要
- 審査結果：自己資金300万円、事業計画書の完成度が高く承認
2. 福岡県「新規創業資金」
制度の特徴
商工会議所のサポート付きで初心者に安心。https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/r7yuushiseidoannai.htmlhttps://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/781275_62582331_misc.pdf
融資条件詳細
- 対象者：
- 事業を営んでいない個人で、1か月以内に県内で創業予定
- 創業から1年未満の方
- 2か月以内に会社設立予定、または設立から1年未満
- 融資限度額：3,500万円
- 自己資金要件：
- 勤務経験なし：開業資金の2分の1が必要
- 勤務経験あり：開業資金の3分の1が必要
- 融資期間：運転資金7年、設備資金10年（据置2年）
- 金利：1.20～1.30%
- 保証料率：原則0%（福岡県が負担）
申込みの流れ
- 商工会議所に相談：創業地の管轄商工会議所で融資相談
- 創業計画策定：相談員と一緒に創業計画を練り上げ
- 金融機関紹介：商工会議所から金融機関を紹介
- 保証依頼：金融機関が信用保証協会に保証依頼
- 面談・審査：信用保証協会との面談
- 契約・着金：審査通過後、融資契約締結
具体例：飲食店開業の場合
春日市在住の佐藤さん（45歳・女性）がカフェを開業
- 申込み額：1,200万円（設備800万円、運転資金400万円）
- 自己資金：400万円（勤務経験ありのため開業資金の1/3）
- 適用金利：1.20%（女性のため優遇利率）
- 保証料：0%（福岡県が全額負担）
- 手続き：福岡商工会議所で4回の創業セミナー受講後申込み
3. 福岡市「スタートアップ資金」
制度の特徴
福岡市が最も力を入れている創業支援制度。city.fukuoka+1
融資条件詳細
- 対象者：
- 事業を営んでいない方で市内で新たに事業開始予定
- 開業後2年以内の方city.fukuoka
- 融資限度額：3,500万円（創業前は2,000万円）
- 金利：1.30%（女性または50歳以上の場合は1.20%）
- 融資期間：10年以内（うち据置期間2年以内）
- 担保：不要
- 保証人：法人の場合は原則代表者のみ（個人は不要）
- 保証料率：0.00%（福岡市が完全負担！）
具体例：美容サロン開業の場合
福岡市在住の山田さん（55歳・男性）がメンズエステを開業
- 申込み額：2,500万円（設備2,000万円、運転資金500万円）
- 適用金利：1.20%（55歳以上のため優遇利率）
- 保証料：0%（福岡市が全額負担）
- 年間返済額：約270万円（10年返済、据置1年の場合）
- 実質年間コスト：金利のみで約28万円（保証料なしのため）
実際の活用戦略
「組み合わせ戦略」
3つの制度は併用可能です。例えば：
ケーススタディ：製造業での設備投資
- 設備資金3,000万円：日本政策金融公庫（長期返済可能）
- 運転資金1,000万円：福岡市スタートアップ資金（保証料0%）
- 追加運転資金500万円：福岡県新規創業資金（低金利）
「どれを選ぶべきか」の判断基準
福岡市スタートアップ資金を最優先
- 保証料0%は他にない破格の条件
- 「年間10～20万円の保証料が浮く計算です！」
大型資金なら日本政策金融公庫
- 7,200万円まで対応可能
- 長期返済で月々の負担軽減
サポート重視なら福岡県新規創業資金
- 商工会議所の手厚いフォロー
- 「創業計画の作り方から金融機関紹介まで全部面倒見てくれます」
お問い合わせ先
- 日本政策金融公庫：最寄りの支店jfc
- 福岡県新規創業資金：管轄商工会議所、商工会
- 福岡市制度融資：経営支援課（092-441-2171）city.fukuoka
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