以下は、和菓子製造販売業のものづくり補助金申請書類例です。
1. 事業者情報（自己紹介）
- 事業者名：株式会社〇〇和菓子店
- 代表者名：山田 太郎
- 所在地：福岡県春日市〇〇町1-2-3
- 業種：和菓子製造販売業
- 創業年月日：2015年4月（法人設立日：2015年4月1日）
- 従業員数：正社員4名、パート6名（計10名）
- 主な事業内容：地元産素材を活かした低糖質和菓子の製造・販売、ECサイトによる全国展開
2. 補助事業の概要と目的
2-1. 補助事業名
「地元素材活用の低糖質和菓子製造ライン自動化・EC販路拡大事業」
2-2. 補助事業の目的
コロナ禍による外食需要の減少と健康志向の高まりを受け、地元産低糖質和菓子の製造ラインを自動化し、生産性と品質を向上させます。併せてECサイトを構築し、全国販売を拡大することで、売上の多角化と地域経済活性化を図ります。
2-3. 解決したい課題
- 手作業による製造効率の低さ（生産量の限界、品質のバラつき）
- 販路が地域限定であること（全国展開のニーズに応えられない）
- 原材料コストの高騰と安定調達の必要性
3. 補助事業の具体的な取組内容
3-1. 製造ラインの自動化
- 導入内容：生地成形機、自動包装機、温度管理装置の導入
- 導入時期：2025年6月～9月（導入・テスト運用期間含む）
- 委託先：食品機械メーカーA社
- 予算：設備投資総額 1,200万円（うち補助金申請 800万円）
3-2. ECサイトの構築・運営
- サイト構築：商品ページ、決済機能、顧客管理機能を備えた専用ECサイト
- 構築時期：2025年7月～8月
- 委託先：ITシステム会社B社
- 予算：ECサイト構築費 100万円（うち補助金申請 67万円）
3-3. SNSマーケティング
- 内容：Instagram、Facebookでの商品PR、動画配信
- 予算：広告費・写真撮影費 30万円（うち補助金申請 20万円）
3-4. 新商品開発
- 内容：糖質カット率40％の新商品2品開発
- 予算：原材料費・試作費・パッケージデザイン費 50万円（うち補助金申請 33万円）
4. これまでの取組との違い
- 従来：手作業中心の製造で、生産量の限界と品質バラつきが課題
- 今回：製造ラインの自動化により、生産効率を2倍に向上、品質を均一化
- 販路：ECサイトの構築で全国販売が可能となり、新規顧客の獲得が見込まれる
- マーケティング：SNSを活用し、商品の魅力をより効果的に発信
5. 創意工夫した点・特徴
- 地元農家との直接契約による高品質原料の安定調達
- 独自開発の糖質カット技術と自動化機器の融合で、健康志向と効率化を両立
- ECサイトは動画・写真を多用し、商品の製造過程やストーリーを発信
- SNSを活用した顧客との双方向コミュニケーション
6. 事業の具体的な進め方
| 時期 | 内容 | 担当・委託先 |
|---|---|---|
| 2025年4月 | 自動化設備選定・見積取得 | 自社・食品機械メーカー |
| 2025年5月 | ECサイト企画・設計 | 自社・ITシステム会社 |
| 2025年6月 | 自動化設備導入・テスト運用開始 | 食品機械メーカー |
| 2025年7月 | ECサイト構築・テスト運用 | ITシステム会社 |
| 2025年8月 | 新商品試作・顧客モニター評価 | 自社製造チーム |
| 2025年9月 | 自動化ライン本格稼働・ECサイト公開 | 自社 |
| 2025年10月以降 | SNSマーケティング開始・顧客対応強化 | 自社マーケティング担当 |
7. 補助経費の内訳
| 項目 | 金額（万円） | 補助金申請額（万円） |
|---|---|---|
| 自動化設備導入費 | 1,200 | 800 |
| ECサイト構築費 | 100 | 67 |
| SNS広告費・撮影費 | 30 | 20 |
| 新商品開発費 | 50 | 33 |
| 合計 | 1,380 | 920 |
8. 補助事業の効果予測
| 効果項目 | 具体的内容 | 数値目標（3年後） |
|---|---|---|
| 生産量増加 | 自動化で生産量を2倍に増加 | 年間生産量 200万個→400万個 |
| 品質向上 | 品質バラつきをほぼゼロに | 不良品率1％未満 |
| 売上増加 | ECサイト売上 500万円（初年度）→1,500万円（3年目） | 年率約30％増 |
| 新規顧客獲得 | EC経由の新規顧客数 500人→1,500人 | 顧客基盤拡大 |
| 地元農家への波及 | 原材料購入額 10％増加 | 地域経済活性化 |
9. 将来の展望
- 地域資源を活用した製品開発を継続し、健康志向和菓子の全国ブランド化を目指す
- 自動化技術のノウハウを活かし、他社へのOEM生産や技術指導も視野に入れる
- 地域の農家・関連業者と連携し、持続的な地域経済循環を構築
10. 付加価値額等の算出根拠
- 付加価値額：売上高－外部購入額（原材料費・外注費等）
- 算出根拠：自動化による生産効率向上とEC販路拡大で、3年後の付加価値額を現在の1.5倍（約4,500万円→約6,750万円）に増加させる見込み
- 根拠資料：直近2期分の決算書（貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書等）添付
11. 添付書類リスト
- 事業計画書（A4 10ページ以内、WordまたはPDF）
- 補助経費に関する誓約書【様式1】
- 賃金引上げ計画の誓約書【様式2】（該当する場合）
- 直近2期分の決算書（法人：貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書等／個人：確定申告書等）
- 従業員数の確認資料（法人事業概況説明書等）
- 労働者名簿（該当する場合）
- その他（設備見積書、ECサイト見積書、農家契約書等）
12. まとめ
本補助事業は、地元素材と独自技術を活かし、製造ラインの自動化とEC販路拡大を同時に進めることで、生産性・品質・売上を大きく向上させるものです。具体的な数値目標と実現可能性を明確にし、地域経済への貢献も明記することで、審査通過の可能性を高めています。