会社が潰れそうな時、やるべきことは意外にもシンプルです。しかし、実行するには強い意志が必要です。
- コストを殺す: 感情を捨てて、固定費を徹底的に削ぎ落とす。
- 連絡リストを洗う: 過去のすべての繋がりを書き出し、直接連絡を取る。
- 数で勝負する: 多くの人に頭を下げる。断られても我慢する。
- 未来を語る: 自分の商品と自分の信念を再点検し、改めて一生懸命に伝える。
会社が赤字続きで、銀行への返済も滞り、給料の支払いすらままならない。そんな絶望的な状況に追い込まれたとき、多くの経営者はパニックになり、思考停止に陥ります。しかし、そこからの「V字回復」は決して不可能ではないのです。
「3つの鉄則」を軸に、明日から実践できるレベルを説明します。「小山竜央氏 Youtubeより」
1. 感情を殺せ!「容赦ないコストカット」の真実
会社が窮地のとき、まず着手すべきは「支出を止めること」です。しかし、ほとんどの社長はこれができていません。なぜなら、そこに「感情」や「見栄」が入り込むからです。
1-1. 電球を消すのは「経営改善」ではない
多くの人が陥る間違いが、水道光熱費を節約したり、事務用品を安くしたりする程度のコストカットです。これは平時にやるべきことであり、倒産間際の緊急事態には全く意味をなしません。
1-2. 具体的な「断捨離」のリスト
コストカットは、文字通り「身を削る」作業です。
- 社長個人の資産:
- 高級車: 節税のために買ったベンツやアルファードがあるなら、今すぐ売却して現金化し、月数千円の公共交通機関か、中古の軽自動車に乗り換えてください。
- 住居: タワーマンションや広すぎる一軒家に住んでいるなら、すぐに引っ越しましょう。家族に「今は守れない、協力してくれ」と頭を下げ、月数万円のアパートに移る覚悟が必要です。
- 私物: 高級時計やブランドバッグなど、換金性の高いものはすべてメルカリや質屋へ持っていきます。
- 事業の資産:
- 不採算店舗の即時閉鎖: 「いつか良くなるかも」という希望的観測で赤字店を維持するのは自殺行為です。違約金を払ってでも、今日閉める決断をします。
- 聖域なきリストラ: どんなに創業時から支えてくれた仲間でも、今の利益構造で雇用を維持できないなら、正直に状況を話し、解雇を含めた協議をします。「全員で沈む」より「生き残っていつか恩を返す」方が誠実な経営判断です。
【具体例】
例えば、年間の固定費が5000万円、売上が4000万円で毎年1000万円赤字が出ている会社があるとします。社長が「みんなの生活を守りたい」と無理をして借金を重ねれば、1〜2年で共倒れです。しかし、家賃の安いオフィスへ移転し、外車を売り、自分の給料をゼロにし、広告費を見直すことで、固定費を3000万円まで圧縮できれば、売上が維持できれば瞬時に1000万円の「黒字」に転換します。これがV字回復の第一歩です。
2. 「過去の遺産」活用
新規客を獲得するための広告費がないなら、やるべきことは「過去の繋がり」を現金化することです。
2-1.「1000人の知り合い」
「自分にはリストなんてない」と言う人がいますが、それは「整理していないだけ」です。以下のすべてをリスト化します。
- 過去に交換したすべての名刺(5年前のものでもOK)
- LINEの友達リスト、SNSのフォロワー・DM履歴
- 親戚、地元の同級生、元同僚
- 以前の取引先、かつて買ってくれたが疎遠になった客
2-2. リストへの「4つのアプローチ」詳細
このリストに対し、一斉メールではなく、1対1で泥臭く連絡を取ります。
| アプローチ手法 | 具体的なアクション例 | 狙える効果 |
| 直接販売 | 「実は今、新しくこういう挑戦をしていて、ぜひあなたに買ってほしい」と直球で頼む。 | 即座の現金回収(キャッシュフロー改善) |
| 助っ人依頼 | 「資金繰りに困っているが、この事業には可能性がある。出資や融資の相談に乗ってほしい」と話す。 | 資金調達・アドバイス獲得 |
| 集客協力 | 「あなたの店のお客様に、うちのサービスを紹介してくれないか?紹介料は払う」とJV(合弁)を持ちかける。 | 広告費ゼロでの新規顧客獲得 |
| 共同開発 | 「あなたのスキルとうちの設備を合わせれば、こんな新商品が作れる。一緒にやらないか?」と提案する。 | 商品力の強化・ヒット商品の創出 |
【具体例】
例えば、潰れそうな街の魚屋さんがいたとします。店で待っていても客は来ません。そこで、過去に注文してくれた名刺や、同級生のLINEをすべて掘り起こし、100件ずつ電話をかけます。「今、最高に美味しいカニが入ったんだけど、お歳暮や自宅用にどうかな? 実は今、店が正念場で、ぜひ応援してほしいんだ」と正直に伝えます。
100人に断られても、200人、300人と続ければ、数人は「わかった、お前の頼みなら買うよ」と言ってくれます。これが「リストの現金化」です。
3. 数で圧倒せよ!「1000人土下座」のマインドセット
V字回復に成功する社長と、そのまま倒産する社長の決定的な差は「プライドの有無」と「行動量」です。
3-1. プライドは1円にもならない
「知り合いに頭を下げるのは恥ずかしい」「潰れそうだなんて知られたくない」……その見栄が会社を殺します。会社を救うという目的(結果)のためには、あらゆるエゴを捨て去ることが不可欠です。
3-2. 「1000人」という数字目標
「一生懸命やってます」と言う人に限って、せいぜい10人か20人に断られただけで心が折れています。
- 基準値の変革: 数人〜数十人は「やった」うちに入りません。最低でも100人、本気でV字回復を狙うなら1000人に直接アプローチしてください。
- 数の力: どんなに営業が下手でも、どんなに商品が普通でも、1000人に心を込めて頭を下げれば、確率論として必ず協力者は現れます。
【具体例】
資金繰りが詰まり、あと1週間で300万円用意しなければならない社長がいるとします。
- ダメな社長: 銀行に一度断られて「もうどこも貸してくれない」と諦め、お酒を飲んで現実逃避する。
- 回復する社長: 1000人のリストを作り、朝から晩まで電話と訪問を繰り返します。「恥を忍んでお願いします、商品を買っていただけないか」と。500人に断られても、600人目で救いの神が現れるかもしれません。この「やりきる力」こそが社長の仕事です。
4. 営業の本質:自分という「商品」の棚卸し
1000人に会う際、何を語ればいいのでしょうか。それは「商品の魅力」以上に「あなたの覚悟と未来」です。
4-1. 自分を好きになれるまで深掘りする
ピンチの時は自己嫌悪に陥りがちですが、そんな状態では人はついてきません。
- セルフコーチング: 「なぜ自分はこの仕事を始めたのか?」「自分のサービスの何が、誰を幸せにするのか?」を徹底的に言語化します。
- ストーリーテリング: 「今、どん底です。でも、ここを乗り越えたらこんな素晴らしい世界を一緒に作りたい」というストーリーは、最強のマーケティング武器になります。人は「完璧な人」ではなく「必死に立ち上がろうとする人」を応援したくなるからです。
4-2. 商品の「惚れるポイント」を再定義する
もし今の商品に自信がないなら、自信が持てるまでカスタマイズしましょう。
- 単品では弱くても、他のサービスとセットにして「絶対にお得」と言える形にする。
- パッケージや届け方を変えて、自分のこだわりを詰め込む。
- 自分がその商品の「一番のファン」と言えるまで使い倒し、本音の言葉で語れるようにする。
まとめ:どん底から這い上がるステップ
会社が潰れそうな時、やるべきことは意外にもシンプルです。しかし、実行するには強靭な意志が必要です。
- コストを殺す: 感情を捨てて、固定費を徹底的に削ぎ落とす。
- リストを洗う: 過去のすべての繋がりを書き出し、1対1で連絡を取る。
- 数で勝負する: 1000人に頭を下げる。断られても止まらない。
- 未来を語る: 自分の商品と自分の信念を再点検し、一生懸命に伝える。
ピンチは「本当の自分」が試されるチャンスです。プライドを捨て、1000人の前に立てば、必ず道は開けます。今すぐ、スマホの電話帳の一番上の人から連絡を取り始めましょう。

