令和8年度(2026年度)の労働保険料(雇用保険・労災保険)に関する改定

令和8年度(2026年度)の労働保険料(雇用保険・労災保険)に関する改定内容について、専門用語を避けつつ、図解イメージや具体例を交えて分かりやすく解説します。


1. 令和8年度の変更点:一目でわかるまとめ

令和8年4月1日から令和9年3月31日までの保険料率は、大きく分けて「雇用保険は下がる」「労災保険は変わらない」という2点がポイントです。

保険の種類令和8年度の動き概要
雇用保険引き下げ(ダウン)全体で0.1%(1,000分の1)下がります。
労災保険据え置き(変化なし)令和7年度の料率がそのまま継続されます。

2. 雇用保険料率の詳細:給料への影響

雇用保険は、働く人が失業したときの給付や、育児休業中のサポートなどに使われる大切な制度です。今回の改定では、労働者と事業主(会社)の両方の負担が少し軽くなります。

具体的にいくら変わるのか?

「一般の事業(事務職、製造業、サービス業など)」を例に、月収30万円のケースで考えてみましょう。

  • 令和7年度(旧):本人負担 0.6%(1,800円)
  • 令和8年度(新):本人負担 0.5%(1,500円)
    • → 毎月 300円 お得になります。

業種別の雇用保険料率表

雇用保険料は、事業の種類によって異なります。表の中の数字は、給与総額にかける倍率(1,000分の〜)です。

事業の種類労働者負担事業主負担合計
一般の事業5/1,000 (旧5.5)8.5/1,000 (旧9.0)13.5/1,000
農林水産・清酒製造6/1,000 (旧6.5)9.5/1,000 (旧10.0)15.5/1,000
建設の事業6/1,000 (旧6.5)10.5/1,000 (旧11.0)16.5/1,000

POINT

会社側だけが負担する「雇用保険二事業(雇用安定や能力開発のための費用)」の割合は、前年度から変わらず据え置きとなっています。


3. 労災保険率:こちらは「据え置き」

労災保険は、仕事中や通勤中にケガをした際などに備える保険です。こちらは全額を事業主(会社)が負担します。令和8年度は、前年度の料率がそのまま引き継がれます。

なぜ業種によって料率が違うの?

労災保険は「事故が起こりやすい仕事ほど、保険料が高くなる」という仕組みになっています。

  • デスクワーク(金融・不動産など):事故が少ないため、料率は低め(2.5/1,000)。
  • 建設や林業:危険を伴う作業があるため、料率は高め(林業は52/1,000など)。

主な業種の労災保険率(抜粋)

ご自身の会社がどこに当てはまるか、確認してみてください。

業種区分主な具体例労災保険率
卸売・小売・飲食店デパート、レストラン、コンビニ3/1,000
電気・ガス・水道インフラ関連の事業3/1,000
通信・新聞・出版放送局、新聞社、IT企業2.5/1,000
ビルメンテナンス清掃、警備など6/1,000
建築事業ビルの建設、住宅の建築9.5/1,000

4. 特定フリーランスの皆さまへ(新ルール)

今回の通知では、フリーランス(個人事業主)の方々が自分で労災保険に加入できる「特別加入」についても触れられています。

新しく「特定フリーランス事業」という枠組み(特12)が追加されました。

  • 保険料率3/1,000

これにより、特定の仕事に従事するフリーランスの方も、わずかな負担で万が一のケガに備えることができるようになります。


5. まとめと注意点

令和8年度(2026年4月〜)の労働保険手続きについて、以下の点に注意してください。

  • 給与計算の変更:4月支給分のお給料から、雇用保険料の控除額を変更する必要があります。
  • 年度更新の手続き:毎年6月〜7月に行う「労働保険の年度更新」の際、新しい料率を使って計算を行います。
  • 端数処理:お給料から引く際の計算で端数(0.5円など)が出た場合は、原則として50銭以下切り捨て、51銭以上切り上げとなります。

豆知識:労働保険料の計算式

保険料 = その月の給与総額(額面) × 保険料率

※「額面」には、基本給だけでなく残業代や通勤手当、各種手当も含みます。


今回の改定は、働く人にとっても会社にとっても「負担が少し減る」というポジティブな内容です。特に雇用保険の引き下げは、多くの方の手取り額に直結しますので、4月以降の給与明細をぜひチェックしてみてください。