事業成長マトリックス

既存のお客様満足度向上

先ずは既存のお客様を大事にすること、満足度を向上させることが最も重要です。単価や購入頻度を上げることにつながります。以下参考です。
「1:5の原則」新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持・再購入してもらうコストの約5倍かかる
②また、「5:25の法則」顧客離れ(解約・離反)を5%改善することで、利益が最低でも25%、最大で95%向上する。

満足度向上施策の実行後、更に事業拡大のために市場浸透戦略、次に、新市場、新製品、多角化を検討することになります。

市場浸透(既存製品 × 既存市場)

  • SNS広告活用
  • ポイントカードを導入(重点顧客拡大が目的です)
  • 無料体験キャンペーン
  • チラシ配布強化
  • リフォームキャンペーン

市場開拓(既存製品 × 新市場)

  • 通販で全国販売
  • 隣県に新店舗
  • 海外輸出に挑戦
  • Webサービスを提供
  • 都心エリアに進出

製品開発(新製品 × 既存市場)

  • 老舗醤油メーカーが減塩醤油を開発
  • 個人経営のカフェがヴィーガンメニューを追加
  • 小規模アパレル店がオリジナルTシャツを販売
  • 地域の温泉旅館が日帰りプランを新設
  • 町工場が新しい金属加工技術導入

多角化(新製品 × 新市場)現事業とのシナジー効果が成功のポイントです。

  • 地元の酒造会社がクラフトビール事業を開始
  • 町の電気屋がIoTスマートホーム事業を展開
  • 建築会社がカフェ事業に参入
  • 地域の農家がオーガニックコスメを開発
  • 小規模出版社がオンラインスクールを開設

「一対五の原則(1:5の法則)」について、解説いたします。

【1:5の法則】とは?

「新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持・再購入してもらうコストの約5倍かかる」
というマーケティングの経験則です。もっとカンタンに言えば…「昔から来てくれてる常連さんを大事にするほうが、新しいお客さんを一人ひっぱってくるより、よっぽど楽でお金もかからんよ」という、商売の原理原則です。

たとえば「お寿司屋さん」で例えると…

ある町のお寿司屋さんの話です。

  • 常連の田中さんは、毎月2回は来て、1回5,000円ずつ使ってくれます。
  • 一方、チラシを配って新しく来た新規客・山田さんは、500円のランチを1回食べて終わり。

でもそのチラシ代に5万円かかっていたら…?

結果

新規客1人を得るために5万円、でも売上は500円。
一方で、常連さんは5,000円×2回=1万円の売上。しかも広告費ゼロ!

この法則のポイント3つ

項目内容例え話
① 新規獲得は高コスト広告、営業マンの時間など費用がかさむチラシ、SNS、営業訪問などに時間とお金
② 既存客は反応が早い信頼関係があるので再購入しやすい「また来るね」が本当になる確率が高い
③ 顧客満足は最大の広告既存客の紹介や口コミが新規客を連れてくる「このお寿司屋さんうまいよ」と紹介

中小企業経営者のための実践アドバイス

やること内容
✅ 既存客リストの整備電話番号、メール、来店履歴を整理
✅ お礼やフォローお買い上げ後のハガキやLINEメッセージ
✅ 定期的な接点づくり季節のDMやニュースレター、キャンペーン案内
✅ 紹介制度「お友達紹介で特典」などクチコミ促進
✅ クレームは宝不満をきちんと受け止めると信頼に変わる

5:25の法則」とは、顧客維持と利益向上に関する非常に重要な経営指標の経験則であり、特に中小企業にも役立つ考え方です。

「5:25の法則」とは?

顧客離れ(解約・離反)を5%改善することで、利益が最低でも25%、最大で95%向上する
という有名な法則です。

この法則を提唱したのは: フレデリック・F・ライクヘルド(Fred Reichheld)
➡ 米国の経営コンサルティング会社Bain & Companyのパートナーで、「顧客ロイヤルティ」や「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」の提唱者。

この法則は1990年にハーバード・ビジネス・レビューの記事内でも紹介され、世界中のマーケティング・経営の現場に広まりました。

なぜ5%の改善で25%以上の利益?

それは以下の理由によります:

理由説明
✅ 既存顧客はリピート率が高い商品やサービスを理解しているので再購入しやすい
広告・営業コストがかからない新規獲得に比べて維持コストが低い
✅ 単価や購入頻度が上がる信頼関係ができると、客単価も上がりやすい
✅ 口コミ・紹介が増える顧客が“営業マン”になってくれ

例え話でイメージ:「お得意様が一人減ると、財布が3つ減る。でも、その人を引き止めたら財布が5つ増える」
つまり、一人の顧客が去ると大損だけど、その人をキープできれば何倍も儲かるという話です。

中小企業向け:どう活用する?

やること実行例
顧客満足の見える化アンケート、NPS、クレーム分析
フォロー体制の強化購入後フォロー、誕生日DM、LINE活用
ロイヤル客の特別扱いポイント制度、限定情報の提供
離反兆候の早期発見来店頻度が減った顧客への連絡や特典配信

まとめ

法則内容
1:5の法則新規顧客獲得コストは、既存客維持の5倍かかる
5:25の法則顧客離れを5%改善すれば、利益が25%以上向上する

**「新規獲得に走る前に、今のお客様をもっと喜ばせる」**
——それが利益体質の第一歩です!