財務分析(音声解説、動画付き)

NotebookLMで作った音声と動画です。


以下、財務分析の例です。

1.貸借対照表

2.損益計算書

3.キャッシュフロー計算書

1. 主要財務比率分析

① 安全性(財務健全性)

指標計算式コメント
流動比率流動資産 ÷ 流動負債41,500 ÷ 25,000 = 166%一般的に120%以上で安全圏。十分な短期支払能力あり。
当座比率(現金預金 + 売掛金 + 前払費用) ÷ 流動負債(18,000 + 12,500 + 1,000) ÷ 25,000 = 126%在庫を除いても余裕あり。
自己資本比率純資産 ÷ 総資産37,000 ÷ 72,000 = 51.4%借入依存は半分以下で良好。ただし借入総額は22,000千円とやや多め。
固定長期適合率(固定資産) ÷ (自己資本 + 固定負債)30,500 ÷ (37,000 + 10,000) = 66%固定資産は安定資金で十分賄えている。

💡例え話:
会社の安全性を「船の浮力」に例えると、この会社は浮力が十分あるクルーザーです。ただし燃料タンク(借入金)がやや大きいので、長旅に備えて燃料消費計画はしっかり立てる必要があります。


② 収益性(稼ぐ力)

指標計算式コメント
売上総利益率売上総利益 ÷ 売上高50,000 ÷ 120,000 = 41.7%製造・卸売としては高め。粗利は十分確保。
営業利益率営業利益 ÷ 売上高15,000 ÷ 120,000 = 12.5%10%以上は優秀。販売管理費コントロールが効いている。
経常利益率経常利益 ÷ 売上高14,500 ÷ 120,000 = 12.1%支払利息の負担は軽度。
ROA(総資産利益率)当期純利益 ÷ 総資産10,000 ÷ 72,000 = 13.9%資産効率は高い。
ROE(自己資本利益率)当期純利益 ÷ 自己資本10,000 ÷ 37,000 = 27.0%非常に高い。株主資本に対してしっかり稼げている。

💡例え話:
この会社は「少ない燃料で長く航行できる燃費のいい船」です。船員(社員)の動きも効率的で、ムダな航路を取っていません。


③ 効率性(運転資金・資産活用)

指標計算式コメント
棚卸資産回転率売上原価 ÷ 棚卸資産70,000 ÷ 10,000 = 7.0回年7回転は良好(約52日分の在庫)。
売掛金回転率売上高 ÷ 売掛金120,000 ÷ 12,500 = 9.6回約38日で回収、優秀。
有形固定資産回転率売上高 ÷ 有形固定資産120,000 ÷ 25,000 = 4.8回資産活用は効率的。

2. キャッシュフロー分析

  • 営業CF +13,000千円 → 営業活動で安定的にキャッシュを生んでいる。
  • 投資CF ▲5,000千円 → 設備更新に適度な投資。過剰投資ではない。
  • 財務CF +7,000千円 → 借入増加が資金流入の一因。今後返済計画が重要。
  • 期末現金残高 18,000千円 → 手元資金は流動負債の72%分あり、短期資金繰りは安定。

💡例え話:
キャッシュフローは「台所の家計簿」に例えると、食費(営業費用)を払っても余裕があり、新しい冷蔵庫(設備投資)も買え、さらにボーナス(借入金で資金強化)ももらって貯金が増えた状態です。


3. 課題と改善アドバイス

強み

  • 高い粗利率と営業利益率
  • 流動比率・当座比率ともに安全圏
  • 資産効率(ROA・ROE)が高い
  • 在庫・売掛金の回転が速い

課題

  • 借入金(短期+長期22,000千円)の依存度やや高め
  • 現状は順調だが、金利上昇時の負担増に備える必要あり
  • 内部留保(利益剰余金)をさらに厚くし、将来の投資や景気変動に備えるべき

改善策(中小企業向け)

  1. 営業利益の一部を「借入金返済ファンド」に充当
    → 例えば毎期3,000千円を返済用積立にすれば、7年で短期借入金ゼロ化。
  2. 内部留保強化
    → 配当や過剰な経費支出よりも、利益剰余金を厚くして財務基盤を安定化。
  3. 在庫回転率の更なる改善
    → 年7回転を8回転にすれば、約1,400千円の資金を生み出せる。
  4. 金利変動リスクヘッジ
    → 固定金利借入への切替や繰上返済検討。
  5. 投資判断基準の明確化
    → ROI(投資利益率)が10%以上の案件に限定して設備投資。