パソコン購入に使える国の補助金は、IT導入補助金2025(デジタル化基盤導入枠)です。
IT導入補助金2025(デジタル化基盤導入枠)
IT導入補助金2025とは、中小企業や小規模事業者が仕事の効率を上げるためにITツール(ソフトウェアやサービスなど)を導入する際に支援する補助金です。
IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)は、インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、パソコン等のハードウェア等を導入し、労働生産性の向上をサポートします。
補助対象者
補助対象者は、中小企業と個人事業主を含む小規模事業者です。
IT導入補助金の申請の流れ
1.申請前の準備
「IT導入支援事業者」を選定する
まずはサポートを受ける「IT導入支援事業者」を選定し、自社の業種や事業規模や経営課題からどのようなITツールを導入するのがよいかを相談します。
「gBizID」プライムアカウントを取得する
「gBizID」とはIT導入補助金の申請以外にも、複数の行政サービスをひとつのアカウントで管理が行えるシステムです。
「gBizID」には2種類がありますが、「IT導入補助金2024」の申請には「gBizIDプライム」が必要です。
「みらデジ経営チェック」を行う
「みらデジ」は、中小企業庁が実施する中小企業・小規模事業者等の経営課題をデジタル化により解決することをサポートする制度です。
「みらデジ」ポータルサイト内に「gBizID」で登録し、「経営チェック」(無料)を実施します。
「みらデジ」
「SECURITY ACTION」を宣言する
「SECURITY ACTION」は中小企業自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。
取組み目標に応じて「★一つ星」と「★★二つ星」があり、IT導入補助金2025の申請には「★一つ星」から対象となっています。
交付申請の作成時に宣言済アカウントIDの入力が求められます。
「SECURITY ACTION」
2.交付申請
「IT導入支援事業者」と商談を進め、交付申請の事業計画を策定します。
「申請マイページ」で必要な情報を入力し、書類を添付します。
「申請マイページ」には「IT導入支援事業者」が入力する情報もあるため、共同で申請を行います。
3.補助事業の実施と実績報告
交付申請を完了し事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等を行います。
その後、実際にITツールの発注・契約・納品・支払い等を行ったことが分かる証憑を「申請マイページ」から提出します。
実績報告が完了し、補助金額が確定すると補助金が交付されます。
4.事業実施効果報告
受給後、補助金の活用によって導入したITツールの効果等を実施効果報告としてまとめ、一定の期限内に「申請マイページ」から入力します。
入力した内容について「IT導入支援事業者」に実績値を確認してもらった後に事務局へ提出します。
申請の際の注意点
IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)に申請する際の注意点は以下3つです。
- 交付決定後に契約・申し込み。請求の後に支払いの順番
- 「IT導入支援事業者」(ITツールの導入をサポートするパートナー)と共同申請
- パソコンとインボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトウェアのセットで申請
1.交付決定後に契約・申し込み。請求の後に支払いの順番
交付申請を完了し、事務局から交付決定を受けた後のフローは以下のとおりです。
- 交付決定
- ITツールの契約・申し込み
- 請求
- 支払い
※納品と支払いの順番は問われません。
2.「IT導入支援事業者」(ITツールの導入をサポートするパートナー)と共同申請
IT導入補助金では、IT導入支援事業者と一緒に事業計画を作成し、電子申請で事務局に交付申請を行います。
IT導入支援事業者は、中小企業や小規模事業者にITツールの導入をサポートするパートナーで、ITツールの提案や補助金申請の手続きも支援します。
この事業者は、事務局と外部審査委員会の審査を通過した企業で、補助対象のITツールを提供します。
3.パソコンとインボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトウェアのセットで申請
パソコンなどのハードウェア単体では申請できません。
この補助枠の目的は、中小企業・小規模事業者の生産性向上とインボイス制度への対応を促進することなので、ソフトウェア(「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つもの)とハードウェアをセットで申請します。
補助率・補助額
IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)はソフトウェアとハードウェアで補助率と補助額が異なります。
インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトの補助率
補助率 | 補助額 |
中小企業は3/4、小規模事業者は4/5 | 50万円以下 |
2/3以内 | 50万円超〜350万円以下 |
50万円を境にソフトウェアの機能の条件が異なるのでご注意ください。
【50万円以下】
会計・受発注・決済のうち1機能以上を有することが必須
【50万円超〜350万円以下】
会計・受発注・決済のうち2機能以上を有することが機能要件
パソコン等のハードウェアの補助率
補助対象 | 補助率 | 補助額 |
パソコン・タブレット等 | 1/2以内 | 10万円以下 |
レジ・券売機等 | 20万円以下 |
計算方法
ソフトウェアとハードウェアで補助額・補助率が異なるため、それぞれの申請額を計算します。
例:会計ソフトを利用するためにパソコン購入する場合
パソコン:150,000円
会計ソフト:50,000円
【パソコン】
150,000円×1/2=75,000円
【会計ソフト】
50,000円×3/4=37,500円
※中小企業の場合
75,000円+37,500円=112,500円
となり、パソコン+会計ソフトの補助申請可能額は112,500円になります。
2025年度、IT導入補助金の主な変更点とポイント
2025年度は以下の点が強化され、より活用しやすくなりました。
1.補助率の拡充
最低賃金近傍の事業者向けに、通常枠の補助率が1/2 → 2/3にアップ。
2.補助対象の拡大
保守サポート費、マニュアル作成費、導入後の活用支援費が新たに補助対象に追加。
3.セキュリティ対策推進枠の強化
補助上限額が100万円 → 150万円に引き上げ、小規模事業者向けの補助率も2/3に拡充。
これにより、補助金の実務的な使い勝手が向上し、企業のIT導入をより強力に支援する制度へと進化しました。
支援枠 | 補助率 | 上限額 |
通常枠 | 1/2(最低賃金近傍の事業者は2/3) | 450万円(業務プロセス4つ以上) |
セキュリティ対策推進枠 | 1/2(小規模事業者は2/3) | 150万円 |
インボイス枠・インボイス対応類型 | 補助額のうち50万円以下は3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超は2/3 | 350万円 ※ハードウェアは10万円または20万円 |
インボイス枠・電子取引類型 | 大企業1/2、中小企業2/3 | 350万円 |
複数社連携IT導入枠 | 2/3など | 3200万円 |