「花形(スター)」などの商品事業分析
「花形(スター)」などの商品事業分析とは、**「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」**というフレームワークの一部で、「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)」が開発したものです。中小企業にとっても、どの商品や事業に注力すべきか、資源配分を判断するうえで非常に有効です。
分析の4象限(商品・事業の分類)
区分 | 特徴 | 戦略 | たとえ話(分かりやすく) |
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🌟 花形(スター) | 高成長 × 高シェア | 投資して成長を維持 | 売れに売れている「看板商品」:回転寿司の「まぐろ」 |
🐄 金のなる木(キャッシュカウ) | 低成長 × 高シェア | 収益源として守る | 安定して稼ぐ「定番商品」:おにぎりの「梅」 |
🐶 負け犬(ドッグ) | 低成長 × 低シェア | 撤退や縮小を検討 | 売れない「在庫品」:カフェの「変わり種メニュー」 |
❓ 問題児(クエスチョン) | 高成長 × 低シェア | 見極めて育成or撤退 | 売れそうだが未知数:「新商品のサンプル品」 |
中小企業が活用するポイント
1. すべての事業・商品をBCGマトリクスに分類する
- 売上と市場成長率、シェアをざっくりでよいので評価
- 売上比率と利益率も見ると効果的
2. 花形は「育てるべき主力商品」
- 資源を集中投下(広告・人材・在庫)
- ブランド化や差別化も進める
3. 金のなる木は「守りながら資金源に」
- コスト削減・効率化を重視
- 利益をスターや問題児に回す
4. 問題児は「育成か撤退かの見極め」
- 試作やテスト販売を通じてスターに育てられるかチェック
- ダメなら早めに損切り
5. 負け犬は「感情を切って整理」
- 思い入れがあっても経営資源の無駄になることも
- 限定販売や在庫処分で収束へ
実行例:町のパン屋さん
商品名 | 売上傾向 | 市場の成長性 | 区分 |
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食パン | 安定・高シェア | 成長は少ない | 金のなる木 |
クロワッサン | 高成長・高人気 | 若年層に人気 | 花形 |
パン・ド・カンパーニュ | 知名度低・微妙な人気 | 市場成長中 | 問題児 |
変わり種ベーグル | 売れずに残る | 市場縮小 | 負け犬 |
まとめ
- 「花形」は企業の未来を担うエース。全力で育てましょう。
- 中小企業にとっても、感覚ではなくフレームワークで経営資源配分することが、持続的成長のカギです。